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「末法燈明紀」やぶちゃん訳へ

●「末法燈明記」やぶちゃん字注

①=(へん)「田」+(つくり)「比」。

②=「藹」の「言」を「けものへん」の代え、「くさかんむり」を「葛」のごとく(つくり)部分のみにかける。これは=「獵」の意で用いている。

③=「鈎」の「かねへん」を「てへん」に代える。

④=(へん)「目」+(つくり)「炎」。ちなみに、これが仮借で、③④で「くせん」と読んでいるものと思われる。これはインドのアラハバードの南西に位置する、Kaushambiのことを指すものと思われる。

⑤⇒ここは割注で、「初得聖果名爲解脱」を左右四字ずつに配して入る。

⑥⇒ここには「云云」が左右に配して入る。

⑦=「藹」の「言」を「金」の代え、「くさかんむり」を「葛」のごとく(つくり)部分のみにかける。この字は「鑞」と同字で、「白鑞」で錫と鉛の合金、ハンダを意味する。

⑧⇒ここには「已上經文」を二字ずつ左右に配す。やや左の二字が下がり気味。

⑨=(へん)「公」+(つくり)「且」。

⑩⇒ここには以下の冠注がある。

  釜 玉云扶甫切
    鍑屬煮者
    亦作鬴
    宋云※武切
    黄帝始造事

 「※」は[(へん)月+(つくり)ヒ]。
 この「玉」は「篆隷万象名義」後部からの引用であることを示す。「宋」も恐らく何らかの語義書を示す。「玉云」という語は図書寮本『類聚名義抄』に用いられていることから、そこからの孫引きであろう(「宋云」も同様かと思われる)。「扶甫切」は半切。

⑪⇒⑩の冠注に続く形で、以下の冠注がある。

  鍑 玉云方宥切
    器也▲釜而
    大
    宋云方副切
    釜而大口也
    一曰小釜

 「▲」は[(にんべん)+政]。なお、前の⑩の注も参照のこと。

⑫=(かねへん)「金」+(つくり)「眞」。[「鎭」。活字が存在したので削除する。]

⑬=(にんべん)+(つくり)「貮」。

⑭=判字不明瞭であるが、(しんにょう)+「鹿」(?)。

⑮=(いとへん)「糸」+(つくり)「宛」。これは「統」の誤字であろう。

⑯=(にすい)+(つくり)「食」。

⑰⇒右に「戊」、左に「戌」を配す。

⑱⇒ここには圓福寺在覺師の花押が入る。